数学の公式を覚えようとすればするほど勉強が面白くなくなってくる?
今日は「数学の公式を覚えようとすればするほど勉強が面白くなくなってくる?」ということについて話をしたいと思います。
今日ももちろん生徒さんとのやりとりから。
生徒さん「この問題はどの公式を使うんですか?」
僕「どの公式を使うと思う?」
生徒さん「分かりません。」
僕「じゃあ公式を使わないで解こうか。」
生徒さん「そんなことできるんですか?」
僕「できるよ。
公式なんて覚えなくても全然解けるよ。
公式だけ覚えても、意味が分からないから、やってて面白くないと思うよ。
ちなみに○○さんが今解いている問題で使う公式は“中点連結定理”ね。
覚えなくてもいいからね。
今問題を解いている分野はどこの分野?」
生徒さん「図形の相似です。」
僕「ってことは、三角形の相似を使えばいいんだよね。
今の問題に出てきた二つの三角形の相似を見ればいいんよ。
二つの三角形は相似?」
生徒さん「はい、相似です。」
僕「相似比は?」
生徒さん「1:2です。」
僕「じゃあ、辺の比は1:2だね。
あと、同位角がいっしょだよね。
ってことは、二つの辺は?」
生徒さん「平行です。」
僕「辺の比が1:2で平行だね。」
生徒さん「あっ、もしかしてこれが中点連結定理なんですか?」
僕「そう、これが中点連結定理。
二つの三角形が相似なんだから、そのままでしょ。
覚える必要なし。
たぶん誰かが“これを公式にしてやろう”と思って公式にしたんよ。
これを発見した人はめっちゃ飛び上がるほど嬉しかったかもしれないね。
“俺すごいのを発見したぜ~”って叫んでいたかもね♪
でも、公式を覚えるだけの人は、何の驚きも発見も感動もない。
“なんでこんな公式を覚えないといけないんや。めんどくさいわ~”、そんな感じ。
そんな感覚で勉強をしても、何にも面白くないでしょ。
公式に振り回されすぎやわ。
公式なんてクソくらえって感じやわ。
公式ばっかり覚えても、頭でっかちになるだけで、面白くないね。
それやったら、公式に頼らないで、“こうじゃないのかな~?”“こうやって解いたら上手くいくんじゃないかな~?”って思うことをやってみる方が面白いんじゃないかな。
暗記のためにやるんじゃなくて、“驚き”“発見”“気づき”“感動”のために勉強をする。
“あっ、そうか!”“やっぱりそういうことやったんか~!”ってことに喜びを感じる。
僕は学生時代、“公式はおまけみたいなもので、暗記しても面白くない”って思ってたね。
それより、やってみて自分で気づく方が好きやったね。
だから、勉強が面白かったんやろね。
公式ばっかりに頼ると、“公式を覚えている=解ける”“公式を覚えていない=解けない”、そんな人になっちゃうよ。
で、知っていることしかチャレンジしない人になっちゃうかもね。
そんなの面白くないでしょ。
勉強を“何でも興味を持ってやってみる人”になるチャンスにすればいいんよ。
情報に振り回されず、“こうじゃないかな~?よし、やってみよう!”っていうふうに、自分の感覚を信頼できる人になるチャンスにしたらいいんよ。」
生徒さん「そうですね。
公式を暗記ばっかりしていても、面白くないですね。
ただ問題をこなしているだけですもんね。
やっていて発見がある方がいいですね。
今からやってみます!」
小学校の時はいろんなことを実際に体験する機会が多かったのに、中学校・高校になるにつれて、覚えることがどんどん増えて、体験することがどんどん減ってきているように思います。
“体験して学ぶための勉強”から“受験のための勉強”へ。
そして、大人になっても情報を追い求めるけれど、体験が伴っていないから、逆に情報に翻弄されてしまう。
どんどん“驚き”“発見”“気づき”“感動”がなくなっていく。
情報から体験へ。
勉強も“あっ、そうか!”“そういうことか!”っていう体験をするチャンスにしてみませんか?