高校の数学の勉強をやればやるほど嫌いになって成績が上がらない?
今日は「頑張って高校の数学の勉強をしても成績が上がるの?」ということについて話をしたいと思います。
今回も塾の生徒さんとのやりとりで説明します。
生徒さん「この問題難しそうですね。
ちょっと分からないけど、できるようにならないといけないですよね。」
僕「できるようにならないといけないことはないよ。
やるかどうかは、できるようになりたいかどうかによるね。
どうする?」
生徒さん「できるようになります。」
僕「じゃあ、やってみよう!」
数分後・・・
生徒さん「無理やわ。
何なん、この問題。腹立つわ!
だから数学は嫌いやねん。
もっとわかりやすい問題作れよ。
あ~、疲れた。エネルギーなくなった。」
僕「お~、いろいろ文句が出てきたな~♪
めっちゃ、ぐったりしてるやん。
でも、ちょっと待って。
そういえば、なんでこの問題やったんやったっけ?」
生徒さん「分からんから、分かるようにならんとあかんと思ったから。」
僕「分かるようになった?」
生徒さん「ちょっとは分かるようにはやったけど、疲れた。
数学が嫌になった。」
僕「それやったら、数学が嫌になるために勉強してるみたいなもんやね。
勉強する前より、やった後の方が数学が嫌いになってる。
何じゃそりゃ!
ちょっと待って。
勉強って何でやってるんやろ?」
生徒さん「できるようになるためでしょ」
僕「そうやんね。
できるようになって、数学に対するイメージが変わって、どんどんできる問題が増えてくる。
やる前より、やった後の方が数学に対するイメージが上がるためにやってるんよね。
数学に対するイメージがアップした?」
生徒さん「下がった。嫌いになった。」
僕「ありゃりゃ。
今○○くんが問題を解くところを見てたら、やる前からちょっと切れ気味やったよ。
もう絶対腹を立てて、数学のことが嫌いになってやるオーラ全開やったで。
すごかったよ。
式を書いているときの殴り書きの感じ。
誰が見てもこの人数学嫌いやっていうのが分かるぐらいやったわ♪」
生徒さん「だって分からんから、しょうがないでしょ。」
僕「問題が分からなくても、その分からん状況に対して、どんな視点で見ているかが大切なんよ。」
生徒さん「視点?」
僕「そう。
分からない問題に対して、“どうやって解くか、ぜひ知りたいな~”という視点で見ているのか、“こんなもん分かるかボケ!やっぱ数学は嫌いやわ。でもやらんな仕方がないからな”という視点で見ているかの違い。」
生徒さん「僕は完全に後者。」
僕「そうやろ。
その視点でいくら勉強しても、ますます数学のことが嫌いになって、成績も下がってしまうかもしれないのよ。
今まで見てきた生徒さんでも、勉強時間が増えたのに、成績が下がった人がいたよ。
“嫌だな、やりたくないな”ということに意識が向いているか、“できるようになったら、めっちゃ解けるようになるんじゃない”“ここができるようになったら、次のテストめっちゃ点数取れるやん”ということに意識が向いているか。
この意識だけで、同じ時間勉強しても全然結果が違ってくるよ。
これは人付き合いと同じ。
例えば、学校に嫌いなやつがいるとするやん。
そいつに嫌々毎日会って、嫌なところにばっかり目がいくから、会えば会うほどそいつのことが嫌いになっていくようなもん。
それやったら会うなよ~って話でしょ。
それを“もしかしたら、あいつのことが嫌と思ってのは、俺の思い込みかもしれないな。今日はあいつのいいところを一つでも見つけてみよう”という気持ちで会ったら、嫌じゃなくなるかもしれないね。
勉強も同じ。
“数学が難しいと思っているのもただの思い込みで、もしかしたら簡単に解けるポイントがあるんじゃないかな”と思って問題をやると、そこに意識が向いているから、そのポイントに気づいたり、やってみたら以外に解けたということが起こってくるんよ。
だから、いっぱい問題解くより、“今どんな視点でその問題を見ているか”を意識した方がいいね。」
生徒さん「いっぱい問題を解いても、余計に嫌いになるんやったら、何やっとんのや~って話ですね。
できるようになりたい方向にいってるのか、腹を立てる方向にいっているのかをチェックします。」
僕「いいね~、それでやってみよう!」
勉強っていっぱいやったらできるようになるって思う人が多いと思いますが、必ずしもそうとは限らないんです。
勉強をしているときの意識によって、やっている時の気持ちも変わるし、結果も変わってきます。
なんとなく勉強をするのではなく、ぜひやっている時の視点、気持ちに意識を向けてみてください。
なので問題を解いている時にはこの質問。
今どんな視点で問題を見ているの?
今どんな気持ちで問題を解いている?
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